Profile

  • 菅澤多加男さん

    もっこり農園

    菅澤 多加男さん

    多古町出身。高校卒業後、実家の農業を継ぐ。主要作物はさつまいも。離農地継承などで規模を広げ、13年前からは「もっこり農園」という直売所も経営。

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  • 萩原宏紀さん

    たこまいらいふ萩原農場合同会社

    萩原 宏紀さん

    多古町出身。大卒後、東京で営業職、カフェスタッフを経験し、Uターン。1年間、実家の米作りを手伝ったのち、農業法人を立ち上げ、稲作とネット等での直販を運営。

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  • 木田瑞季さん

    ジェリービーンズ

    木田 瑞季さん

    多古町出身。動物系専門学校卒業後、県内でドックトレーナーを経験した後にUターン。動物に関われる仕事として、多古町の養豚・食肉加工・販売会社の有限会社ジェリービーンズに2020年2月から勤務。

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農業が身近な多古だからこそ「儲かる農業」を目指したい

どうして農業に携わろうと思ったんですか?

自分は40代なので、昭和の価値観で、親の仕事だから継ぐという感覚だったかな。同世代だと、別の仕事をしていても、親が高齢になったから農家を継いだという人も多いですね。「日本一の野菜を作る」という夢は始めた当時から変わっていません。

20代の僕らの世代だと、親が農家でも、楽な仕事ではないから、必ずしも継げとは言われなかったりしますね。そんな中、僕は子どもの頃から、お米を作る親がカッコいいな、と思っていて、農家を継ぐつもりでした。でも、あんなに働いても儲からないのが不思議で、農業系の大学で経済を学んで、サラリーマンも経験して、営業スキルなどを身に付けてから農業を始めました。

もともと動物が好きで、犬の訓練に関わる仕事をしていたんですが、職場の人間関係や都会暮らしが合わなくてUターンしました。地元で動物と関われる仕事を探して決めたのが、養豚の仕事。犬と豚では全然違うんですけど、豚の成育、性格なども徐々に覚えている最中です。

わが子のように、元気に、おいしく、育ってほしい

目指す農業は?モノ作りのこだわりやスタイルを教えてください。

僕ら3人、それぞれ育てているものは違うけど、美味しく育ってほしい、ということは変わらないよね。それは子どもが元気に育ってほしい、というのと同じ。食事の栄養を考えたり、病気を防ぐために予防接種をするように、肥料の与え方を研究したり、消毒したりしています。なので、収量を増やすよりも、質を重視しています。

そうですね。自分が作っている多古米も、コシヒカリがベースで千葉県内ではそこそこ有名なんですが、全国的な知名度はまだまだ。その現状を変えたくて、ECサイトを立ち上げて直販したり、都内のマルシェに出店したりしています。自分で在庫調整や出荷作業もしなくちゃならないから、大変なこともありますが、僕は人に頼らず、自分で売りたい気持ちが強いですね。

ジェリービーンズで育てている豚は、「健康な豚こそ美味しい」という想いと、「食卓に笑顔と元気を届けたい」という願いが込められた「元気豚」というブランド豚です。その名の通り、健康で元気な豚を育てるため、豚の成長に合わせて飼料の配合を調整したり、ストレスなく元気に育つように移動回数を減らしたり、兄弟豚で飼育するなど飼育方法にこだわっているので、サシの入った旨味のある豚肉になります。

スペアリブとか、めちゃくちゃ美味しいですもんね。

元気農家トーキング

肥沃な土地や水、ブランド力を活かして、自分たちの農業をつくる

多古町で農業に関わる意義やメリットは何ですか?

多古米の他にも、多古町は大和芋も有名で、でもタカオさん(菅澤氏)のようにさつまいもを極めている人もいて、本当にいろいろなモノが作られています。それは、水も土もいい場所だからだと思います。

そうだね。ヒロキ(萩原氏)のところは、山に囲まれているから、山のミネラルがグーッと田んぼに集まって、美味しい米になる。

ありがとうございます。反対に町の中には、平地で日当たりがよくて、田んぼがガーッと広がっているところもあります。そういう場所では収量が穫れる。僕とは考え方が違うけど、量を求める農業もできる場所だと思います。日本の食生活を考えたら、価格などの点でそういう作り方をした米も必要で、一つの町の中でいろんな考え方ができる場所ではないかと思います。

多古米や大和芋は、多古町ブランドとしてかなり知られてきましたね。

それを魅力に感じて大企業を辞めて、Uターンしてくる人もいますよね。これからは農業をもう一歩進化させる段階にあるような気がして。ただ作るだけじゃなくて、その人なりの独自のアプローチを示すことができたらいいと思います。

萩原宏紀さん木田瑞季さん

SNSを活用し、各農家が連携して多古の農業を新変えていく

3人が関わっているものはそれぞれ違いますが、相互連携はしていますか?

都内のマルシェで週末に多古米を売っているんですが、その時にタカオさんから仕入れた野菜も販売しています。5年も続けていると、常連のお客様もできて、わざわざ町までタカオさんに会いに来られる方もいましたよね。

ありがたいことです。ヒロキが町の外で多古町の宣伝をしてくれています。それをもっと広めようと、今、どの農家もSNSを活用しています。こちらから情報発信すると、いろいろなコメントがついて、「あの人が勧めているのなら」という信用力も高まって、「もっこり農園」の閲覧数も月に4,000ビューくらいあります。

SNSは誰でも気軽に「顔の見える生産者」になれるから、販路を拡大したかったら絶対活用すべきだと思います。

ジェリービーンズのサイトでも、多古米やさつまいもを販売しています。また、養豚事業から出た堆肥や液肥を地域の農家さんで有効活用していただいています。

菅澤多加男さん元気農家トーキング

農業を通じた地方創生で、多古を盛り上げよう

これからチャレンジしたいことは何ですか?

さつまいも農家の自分が直売所を始めて、以前はそれが有名になればいいな、と考えていたけど、今、こうやって若い仲間も増えてくると、農業を通じて、皆で多古町を盛り上げていきたいな、と思うようになりましたね。ジェリービーンズで新しい豚舎ができれば、ますます注目されるしね。

はい、安全、安心でおいしい豚肉をもっと供給できるようになりますから。若い人はどうしても豚に対して、汚くて臭い、みたいな負のイメージがあると思いますが、そんなこと全然ないんです。豚さん自身とてもきれい好きで、水浴びとか大好きだし、施設もクリーンです。そういうことを広めて、養豚に良いイメージを持ってもらえるようにしたいと思います。

木田さんのように地元出身で、地元の元気な企業に就職できて…というのは、ホントにすごいことだと思います。僕は多古町をそういう場所にしたい。実際には、高校までは多古町で育っても、その先は都会に出て、戻りたくても就職先はごくわずか。僕が子どもの頃にあったお店もどんどん減っているんです。僕が法人化したのは、雇用を創出したいという思いもあったから。農業を通じて地方創生に関わっていきたいと思います。

移住を考えているみなさん、ぜひ私たちと一緒に新しい農業、地域づくりに取り組んでみませんか!

<span>多古町の</span><span>美味しいをご紹介</span>

  • さつまいも

    さつまいも

    多古町の大地で育ったさつまいも。菅澤さんの農園ではベニアズマやアイコマチなどを栽培しています。

  • 多古米

    多古米

    有機肥料で育てた多古米は、もっちりとした粘りや自然の甘みが特長で「おかずのいらないお米」と評されるほどです。

  • 元気豚

    元気豚

    飼料や飼育方法にこだわって育てる元気豚。サシの入った旨味のある豚肉で、豚丼は甘みがありジューシー。