Profile
移住就農者(有限会社ゆうファーム)
境野 心作さん
首都圏出身。長野県での農業研修を経て、多古町で研修生として就農。露地野菜(にんじん等)を中心に栽培し、就農約20年。2015年に経営移譲を受け、法人として経営に参画。
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Uターン就農者
平山 弘実さん
公務員(図書館司書)として勤務後、祖母の農業を継ぐことをきっかけにUターン。にんじん・じゃがいも・さつまいも・里芋など根菜類を中心に栽培。就農約3年。
地元若手農家
柏原 徹さん
多古町で就農11年目。米・栗・ねぎ・梅を軸に、にんにく・玉ねぎ等にも挑戦しながら多品目で経営。農協青年部や地域行事にも関わり、将来の雇用づくりを見据えて経営スタイルを模索中。
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農業が身近な多古だからこそ「農業を仕事にする」現実を知る
どうして農業に携わろうと思ったんですか?
テレビ番組を見て「野菜や米づくりって楽しそう」と感じ、農学部へ。就活の段階で“雇われて農業を学べる”道があると知り、まずは研修から始めました。
実家(祖母)が農家をしていて身近な職業でしたが、自分がやるとは思っていませんでした。先代が高齢になったことをきっかけに戻り、継承する形で農業の道に入りました。
土をいじるのが好きでした。正直に言うと、同世代で農家をやりたがらない人が多いなら“分母が少ない中で戦った方が勝てる”と思って始めた面もあります。やってみたら甘くなかったですが、今は勉強期間だと思っています。
一年中つくれる、売り先が近い。多古町の農業の強み
多古町で農業に関わる意義やメリットは何ですか?
作物で言えば、多古米とやまと芋というブランドは大きいです。人参や大根も市場評価が高いと聞きます。田んぼと畑の両方ができる地域は意外と少なく、選択肢が多いのも強みだと思います。成田空港が近いので、物流がさらに良くなれば面白くなる期待もあります。
売り先が豊富だと感じます。農協もあるし、うちは旬の味産直センターに出しています。東京に近いので運ぶ面でも有利。土が良くて石が出にくく、にんじん・じゃがいも・ねぎ・玉ねぎなど“いろいろ作れる”土地だと思います。
土質が良くて、野菜が作りやすい環境だと感じます。作物の種類も多く、町としても“農業の幅”があるのが誇りです。

続けるほど見えてくる壁― 異常気象・体力・経営の難しさ
想定外だった苦労は? どう乗り越えていますか?
最初は地域の方言が分からず苦労しましたが、慣れていきました。最近大きいのは気候です。夏の高温で栽培が難しくなり、潅水設備や井戸など“水の確保”が必須になっています。ゲリラ豪雨で土や種が流されることもあり、これまでの栽培の常識が通じにくくなっている感覚があります。
根菜中心なので、重いコンテナ(20kg以上)を扱う体力面が想像以上に大変でした。規模を広げて機械を導入できれば、負担を減らして続けられると思い、そこを目標に踏ん張っています。さつまいもは乾燥が強い年だと形が悪くなり、製品率が下がるのも悩みです。
米は意外と取れてしまう年もありますが、ねぎは暑さに弱く、9〜10月の“成長しやすい気温帯”が短くなっているのがきついです。始めた直後よりも、続けていく中で“この先どう経営を組むか”の壁が大きい。10〜15年後、家族の世代が動けなくなった時に、雇用をどうつくるかをずっと考えています。


支えてくれる人・学びの場― 仲間、先輩、セミナー、役場支援
困ったとき、どこで相談していますか?
産直センターの仲間(同世代の農家)がいて、産地見学や交流会で情報交換しています。町のアグリセミナーで知り合いが増え、勉強会や共同購入などにもつながりました。補助金などの情報はキャッチしにくいので、役場担当者が提案や締切の案内をしてくれるのは助かっています。
香取農業事務所のセミナーに参加しています。同じ作物を作る同年代の方が多く、工夫や改善点を情報交換できるのが心強いです。女性同士の交流の場(女子部)もあり、横のつながりができました。
農協青年部は20代が少ないですが、会えば資材や薬の話をします。困ったら先輩(年配の方)に聞くのが早い。口は悪くても、ちゃんと教えてくれる人情味のある人が多いです。畑の人脈は手伝いに入る中で広がりました。


これから多古町に来る人へ― 最初の一歩/会える場所
就農したい人へ、まず勧めたいことは?
新規就農は土地に縛られないのが強みなので、時間が許す限り“いろんな地域を見て”ほしいです。見るべきは、売り先や流通、何が作れて何が課題なのか。農業について聞ける人がいるかも大事だと思います。
やりたい気持ちがあるなら、我慢強く、作物を見守る気持ちが大切だと思います。忍耐強く続けるほど、楽しくできることも増えていくはずです。
いきなり自分でできると思わないこと。甘い試算で飛び込むと続きません。やりたい作物があるなら、その地域の農家に“修行に行く”のが近道です。畑は信頼がないと貸してもらえないので、手伝いながらノウハウと人のつながりを作ってから独立するのが現実的だと思います。
就農希望者が3人に会って話を聞ける場はありますか?
ホームページから連絡をもらえれば、農場見学や体験の受け入れは可能です。年中作業があるので、都合を合わせて相談してもらえればと思います。
基本的に畑に入っているので、現地で会って話す形が一番です。町や香取農業事務所のセミナーなど、相談の場も活用しています。
忙しい時期でなければ、町の農業関連の集まり(セミナー等)には参加するようにしています。基本は畑と田んぼにいるので、まずは地域の人とのつながりを作るところからだと思います。
最後に一言。「多古町で農業をする魅力」を1文で
何でも作れて、売り方も選べる。しかも消費地が近い―その条件がそろった“農業がしやすい田舎”だと思います。
収穫の喜びは大きいので、優しい気持ちで作物を見守りながら、楽しく続けてほしいです。
雪で半年休みになる地域と違って、一年を通して何かしら作れる。田んぼも畑もできて、選択肢が多いのが魅力です。
多古町の美味しいをご紹介
大根
多古町の肥沃な土地で育った大根は非常にみずみずしく、多くの食物繊維やビタミンを多く含み自然の恵みを丸ごと味わうことができます。境野さんの畑では、ミニ大根を栽培しています。
さつまいも
北総地域は全国有数のさつまいもの産地。多古町のさつまいもはホクホクとした食感と強い甘みが特徴です。
多古米
多古町の代表的なブランドとして知られるのが「多古米」です。米づくりに適した環境に加え、地域の農家が積み重ねてきた栽培の工夫によって、食味の良さが評価されています。
