○特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法による移転により生ずる少数残存者対策補助金交付要綱
(令和2年4月1日告示第36号)
(趣旨)
第1条
この補助金は、成田空港の更なる機能強化を契機に、従来の生活共同体から分離されることで著しく地域社会から孤立する住民に対し、当該住民の生活の維持及び新たな生活共同体への参加のための移転を支援することを目的として、予算の範囲内で交付することとし、その交付については、多古町補助金等交付規則(昭和39年規則第1号)に定めるもののほか、この要綱により定める。
(定義等)
第2条
この要綱において、次に掲げる用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
(1)
「成田空港の更なる機能強化」とは、平成30年3月13日に国土交通省航空局長、千葉県知事、成田空港周辺9市町長及び成田国際空港株式会社代表取締役社長間で合意した滑走路の増設・延伸等や年間発着枠の拡大などのことをいう。
(2)
「騒特法」とは、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法(昭和53年4月20日法律第26号)のことをいう。
(3)
「基本方針」とは、成田国際空港周辺地域における騒特法第3条により定める航空機騒音対策基本方針のことをいう。
(4)
「防止特別地区」とは、騒特法第4条第4項に定める航空機騒音障害防止特別地区のことをいう。
(5)
「補助対象区域」とは、平成30年12月18日に変更された基本方針において、その区域のほとんどが防止特別地区に含まれ、かつ防止特別地区外に居住する者がごく少数となる喜多区東佐野のうち、防止特別地区に含まれない区域のことをいう。
(6)
「少数残存者」とは、成田空港の更なる機能強化を契機に、補助対象区域に居住し、現居住地域で著しく孤立する住民のことをいう。
(補助対象者)
第3条
この補助金の交付を受ける補助対象者は、次の各号に定める要件全てを満たす少数残存者とする。
(1)
成田空港の更なる機能強化の合意がなされた平成30年3月13日の時点で補助対象区域に居住し、かつ補助金交付申請までの間、同所に引き続き居住している者
(2)
前号の事実が、本町の住民基本台帳等で確認できる者
(3)
現に居住している土地及び建築物等について、平成30年3月13日の時点で所有権を有し、かつ補助金交付申請までの間、所有権を有し続けている者
(4)
前号の事実が、登記事項証明書等で確認できる者
(5)
現に居住している土地について所有権その他権原の一切を放棄するとともに、移転の後、家屋及び当該家屋と一体として利用されていると特に認められる建築物、立木竹その他土地に定着する物件(以下「建築物等」という。)について除却する者
(補助対象事業及び補助対象経費)
第4条
本補助金は、少数残存者が、生活の維持及び新たな生活共同体への参加を目的に、本町内で行う次の各号の事業に対し交付する。
(1)
移転先の土地及び建築物等の取得
(2)
現に居住する建築物等の除却
(3)
その他、移転に際し必要となる諸手続
2
本補助金の補助対象経費は、次の各号の合算により算出する。
(1)
移転先の土地及び建築物等の取得に要する費用
(2)
現に居住する建築物等の除却に要する費用
(3)
土地及び建築物等の取得等に要する諸税(印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税等)
(4)
土地及び建築物等の取得等の登記手続きに係る費用
(5)
本補助金の交付に伴う所得税、復興特別所得税、住民税及び各種社会保険料等の増額相当額
(6)
その他、移転に際し必要となる以下の費用
イ 土地及び建築物等の取得等に係る仲介手数料
ロ 移転に伴い必要となる家財等の運搬費用
ハ 物件取得に併せて締結した火災保険の保険料(最大10年分)
二 ハの火災保険に付帯して締結した地震保険の保険料(最大5年分)
ホ 移転先の土地及び建築物等の取得のため住宅ローンを設定する場合における融資手数料、ローン保証料及び団体信用生命保険料等
へ その他、移転に際し町長が特に必要と認めるもの
3
少数残存者が、老人福祉法第5条の3に規定される各施設への入所を希望し、町長が必要と認める場合は、前2項の規定にかかわらず、次の各号の費用を補助対象経費として算入することができる。なお、入所先の施設の所在地は本町には限らない。
(1)
入居時費用
(2)
入居後に必要となる10年間分の月額利用料等相当額
(補助金の額)
第5条
本補助金の上限は、現に居住する土地及び建築物等の評価額とする。
2
前項の規定にかかわらず、町長は、本補助金の交付に伴う所得税等への影響を考慮し、騒特法第9条第1項及び第2項による補償等の場合と比較して特に必要と認める場合は、本補助金の上限を増額ないし減額することができる。
3
町長は、成田国際空港株式会社に対し、現に居住する土地及び建築物等について、騒特法第9条各項に規定する移転の補償等に準じた査定を依頼し、この査定結果をもとに現に居住する土地及び建築物等の評価額を決定する。
(移転の表明)
第6条
補助対象者のうち補助金の交付を受けようとする者は、現に居住する土地及び建築物等に係る登記等を確認した上で、町長に対し、別記第1号様式により、移転の意思があることを申し出るものとする。
2
前項の申し出は、補助金の交付を受けようとする年度の前年度の8月31日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)までに行わなければならない。
3
前1項の申し出を受けた町長は、第5条第3項により現に居住する土地及び建築物等の評価額を決定し、その結果を速やかに提示しなければならない。
(移転の申し出)
第7条
前条第3項の結果を踏まえ、補助金の交付を申請しようとする者は、町長に対し、別記第2号様式により、移転を申し出るものとする。
2
前項の申し出は、補助金の交付を申請しようとする年度の前年度の11月30日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)までに行わなければならない。
(交付申請)
第8条
補助金の交付を受けようとする者は、町長に対し、別記第3号様式により、補助金の交付を申請しなければならない。
2
前項の申請は、補助金の交付を受けようとする年度の5月15日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)までに行わなければならない。
(現に居住する土地の所有権その他権原の一切の放棄について)
第9条
補助金の交付を受ける者は、現に居住する土地の所有権その他権原の一切について放棄することとし、前条の交付申請に合わせ、別記第4号様式により、現に居住する土地の所有権について町長に寄付を申し出るとともに、移転後に建築物等について除却することを誓約しなければならない。
2
前項の申し出等は、前条第1項による補助金の交付申請に併せて行わなければならない。
3
町長は、第1項の申し出を受け、議会の議決を経て、補助金の交付を受ける者が現に居住する土地について、所有権移転の仮登記を行う。
(交付決定)
第10条
町長は、第8条第1項による申請書の提出があった場合は、当該申請書の内容を審査し、補助金を交付すべきものと認めたときは、速やかに補助金の交付を決定し、別記第5号様式により、申請者に通知しなければならない。
(申請の取下げ)
第11条
補助金の交付を申請した者は、前条の規定による補助金の交付の決定の通知を受けた場合において、当該通知に係る補助金の交付の決定の内容又はこれに付された条件に不服があり、当該申請を取り下げようとするときは、通知を受けた日から起算して14日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)以内にその旨を記載した書面をもって町長に申し出なければならない。
2
補助金の交付を申請した者は、前条の規定による補助金の交付の決定の通知を受けた後、移転について中止することが明らかになった場合は、町長に対し、遅滞なく、補助対象事業の中止を申し出なければならない。
3
前2項の申し出があったときは、当該申請に係る補助金の交付の決定は、なかったものとみなす。
(申請の変更承認等)
第12条
補助金の交付を申請した者は、第10条の規定による補助金の交付の決定の通知を受けた後、次の各号のいずれかに該当することがあきらかとなった場合は、町長に対し、別記第6号様式により、変更承認申請を行い、あらかじめ町長の変更承認を受けなければならない。
(1)
移転先の土地及び建築物等の取得について、その内容を変更しようとするとき。
(2)
第4条第2項に規定する各号について、その額を変更しなければならないとき。
(3)
移転について延期しようとするとき。
(4)
その他、移転に関し、大きな変更を行わなければならないとき。
2
町長は、前項の承認をする場合において、必要な場合は、第10条の交付の決定の全部若しくは一部を取り消し、又はその決定の内容若しくはこれに付した条件を変更し、別記第7号様式により、申請者に通知しなければならない。
(事業の遅延の報告)
第13条
第10条の規定により補助金の交付決定を受けた者は、補助金の交付の決定時に予想し得ない要因により補助対象事業が遅延し、交付の決定を受けた年度までに補助対象事業が完了しないことが明らかになった場合は、町長に対し、遅滞なく、別記第8号様式により、その旨を報告しなければならない。
2
前項の報告は、補助金の交付の決定を受けた年度の11月30日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)までに行わなければならない。
3
前項の期限以降に、交付の決定を受けた年度までに補助対象事業が完了しないことが明らかになった場合は、前項の規定によらず、第1項の報告は速やかに行なわなければならない。
(現に居住する建築物等の除却と滅失の登記)
第14条
第10条の規定により補助金の交付決定を受けた者は、移転が完了した後、速やかに居住していた建築物等の除却と滅失に係る登記をしなければならない。なお、当該建築物等について抵当権などの担保物権等が設定されている場合は、あらかじめ、これを消除しなければならない。
(現に居住する土地の寄付に係る手続き)
第15条
第10条の規定により補助金の交付決定を受けた者は、移転及び前条に規定する建築物等の除却が完了した後、町長と連携して、土地の寄付に係る手続きを速やかに行なわなければならない。なお、当該土地について抵当権などの担保物権等が設定されている場合は、あらかじめ、これを消除しなければならない。
2
前項の手続きが完了した後、町長は、交付決定を受けた者が現に居住する土地の所有権その他権原の一切について、移転登記を行うものとする。
3
町長は、前2項に基づく土地の寄付手続きが行なわれない場合は、第10条の交付の決定の全部若しくは一部を取り消すことができる。
(実績の報告)
第16条
第10条の規定により補助金の交付の決定を受けた者は、補助対象事業が完了した後、町長に対し、遅滞なく、別記第9号様式により、補助事業実績報告をしなければならない。
2
前項の申請等は、補助金の交付の決定を受けた年度の3月10日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)までに行わなければならない。
3
前項の規定は、第13条の規定により事業の遅延を報告した場合は、その限りではない。
(補助金の額の確定)
第17条
町長は、前条の規定による報告を受けたときは、当該報告に係る書類の審査及び必要に応じて現地調査を行い、その報告に係る補助事業の成果が補助金の交付の決定の内容に適合すると認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し、速やかに、別記第10号様式により、報告者に通知しなければならない。
2
町長は、前項の場合において、既にその額を超える補助金が交付されているときは、その超える部分について補助金の返還を命じなければならない。
3
前項の補助金の返還の期限は、当該命令のなされた日から20日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)以内とし、期限内に納付がなされなければ、当該返還命令を受けた者は、未納に係る金額について、その未納に係る期間に応じ政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定により、財務大臣が銀行の一般貸付利率を勘案して決定する率を乗じて計算した延滞金を町に納付しなければならない。
(補助金の支払)
第18条
町長は、前条第1項の規定により交付すべき補助金の額を確定した後に補助金を支払うものとする。
2
前条第1項による通知を受けた者は、補助金の額の確定の通知を受けた年度の翌年度の4月30日(当該日が土曜日、日曜日、国民の祝日・休日の場合は、その翌日)までに、別記第11号様式により、補助金の精算払請求をしなければならない。
(補助金の概算払)
第19条
町長は、前条の規定に関わらず、補助対象事業の進展のために特に必要と認められる場合は、交付決定をした額の8割までの額について、概算払をすることができる。この概算払は、複数回に分けて請求することができる。
2
第10条の規定により補助金の交付決定を受けた者は、前項の規定により補助金の支払いを受けようとするときは、町長に対し、別記第12号様式により、補助金概算払の請求をしなければならない。
(取得財産等の処分の制限等)
第20条
第4条第1項の規定により土地及び建築物等を取得した者は、取得した土地及び建築物等について、補助金の交付の目的に反して、売買、賃貸借その他一切の処分をしてはならない。ただし、取得の登記がなされた日を起算して10年間を経過した場合は、この限りではない。
2
補助金の交付を受けた者は、前項の規定により定められた期間の経過前に、処分を制限された土地及び建築物等を処分しようとするときは、あらかじめ、町長に対し、その旨を記載した書面をもって財産処分の承認を申請し、その承認を受けなければならない。
3
第4条第3項の規定により各施設への入所した場合において、入所後10年間経過する前に退所等の事由が生じた場合は、町長に対し、その旨を記載した書面をもって承認を申請し、その承認を受けなければならない。
4
町長は、前2項の規定により申請を受け、その承認をしようとする場合、補助金の交付の目的及び当該資産の評価額を考慮して、補助金の返還を命じなければならない。ただし、補助金の交付の目的を考慮し、町長が適正と認める場合は、この限りではない。
(権利の継承)
第21条
第3条に定める補助対象者は、町長が認める場合に限り、その配偶者及び直系卑属のうち3親等内の血族に対し、補助金交付の権利を継承することができる。
2
前項の規定により、補助対象者又は権利の継承を受けようとする者が補助金交付の権利を継承しようとする場合は、町長に対し、その旨を記載した書面をもって申請しなければならない。
3
町長は、前項の規定により申請を受け、権利の継承を受けようとする者の居住実態等を確認した上で適正と認められる場合に限り、承認することができる。
(委任)
第22条
この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
この告示は、令和2年4月1日から施行する。
第1号様式(第6条関係)
移転意思申出書
[別紙参照]
第2号様式(第7条関係)
交付申請申出書
[別紙参照]
第3号様式(第8条関係)
交付申請書
[別紙参照]
第3号様式・別紙
補助金額算出シート
[別紙参照]
第4号様式(第9条関係)
土地の寄付と建築物等の除却申出書
[別紙参照]
第5号様式(第10条関係)
交付決定通知書
[別紙参照]
第6号様式(第12条関係)
変更申請書
[別紙参照]
第7号様式(第12条関係)
交付決定変更通知書
[別紙参照]
第8号様式(第13条関係)
遅延報告書
[別紙参照]
第9号様式(第16条関係)
実績報告書
[別紙参照]
第10号様式(第17条関係)
確定通知書
[別紙参照]
第11号様式(第18条関係)
請求書
[別紙参照]
第12号様式(第19条関係)
概算払請求書
[別紙参照]